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中国が望む世界
―― そのパワーと野心を検証する

ラナ・ミッター  オックスフォード大学教授(現代中国史・政治)

The World China Wants
How Power Will—and Won’t—Reshape Chinese Ambitions

Rana Mitter オックスフォード大学教授(現代中国史・政治)。近著にChina’s Good War: How World War II Is Shaping a New Nationalismがある。このエッセイは、イギリスの王立国際問題研究所、米外交問題評議会、米ジョージタウン大学外交大学院が主導した「世界秩序に関する『ロイド・ジョージ』スタディ・グループ」のプロジェクトとしてまとめられた。

2021年1月号掲載論文

世界第2位の経済大国である中国が、ライバルが規定した条件で世界秩序に参加するはずはない。特に、2008年のグローバル金融危機以降、中国指導部は、自国の権威主義的統治システムは、自由主義国家に至るプロセスにおける一つの形態ではなく、それ自体が目的地であると明言するようになった。明らかに国際秩序を作り替えることを望んでいる。中国は間違いなく、国際社会の「舞台中央に近づきつつある」と習はすでに宣言している。今後の展開にとっての重要な鍵は、中国が世界における自らの野心を、他国にとってある程度許容できるものにできるかどうかだ。現実には、もっともらしい新世界秩序を作る中国の能力を脅かしているのは、その権威主義体質に他ならない。

  • 中国版国際秩序
  • 国際舞台の中央へ
  • 国際的役割と歴史修正主義
  • 儒教と道義外交
  • 中国モデルと一帯一路
  • 権威主義のジレンマ
  • 中国が望む世界
  • 国際的中国の内なる敵

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